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読書の喜び②

  • ※社員へ向けた社内朝礼スピーチより抜粋

ジム・コリンズのビジョナリーカンパニーZEROが、昨年出版されたのをきっかけに、ビジョナリーカンパニーの全5巻、少冊子2巻を読み終えて感動に浸っているので、その話をしたいと思います。

ジム・コリンズは、私がかつてより心酔していたピーター・ドラッカーの後継者を目されている人です。ビジョナリーカンパニーZEROは、初刊のビジョナリーカンパニーの前に出版されたビヨンド・アントレプレナー(1992)という本が大幅に加筆され、日本語訳されて出版されたものです。

私は、最初のページから引き込まれ、感動しつつ一気に全巻を読み終えました。この本が出た時、私は46歳でしたが、できれば30歳台の前半にこれらの本を読みたかったと思っています。ちょうど皆さん方の年齢ですね。皆さん方の人生を変えてくれると思います。

ジム・コリンズは、ビジョナリーカンパニーを出版した直後、かねてより尊敬していたピーター・ドラッカーから電話を受け、会って話がしたいとの意を受けます。そして、カリフォルニア州クレアモントに出向き、ドラッカー宅で一日を過ごし、ドラッカーに大きな借りができたと感じます。コリンズは、「どのようして借りを返せばよいか」とドラッカーに問い、ドラッカーは、「もう借りは返してもらったよ。今日たくさんのことを学ばせてもらったから」と答えます。そして別れ際、ドラッカーは車に乗るコリンズの肩をたたきながら、「最後にもう一つ、社会に貢献できるように」と付け加えています。

2009年のドラッカー生誕100年祭で、コリンズは基調講演を行い、これらのことに加えてさらに次のように述べたと言います。

「ドラッカーのアドバイスに従って、生きてきて、本当に良かったと思っています。ドラッカーにはどうやっても借りは返せません、でも違うやり方があります。ドラッカーに返す代わりに社会へ還元する、つまり社会に貢献すればよいのです。きっとこうすることで、ドラッカーに借りを返せるでしょう」

最後に、ドラッカーの言葉です。「未来を予測する最高の方法は、自ら未来を創造することだ」

皆さんもこれを真摯に受け止めベストを尽くしてください。

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