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私の読書

  • ※社員へ向けた社内朝礼スピーチより抜粋

今日は日常の私の読書について話をします。若い頃は猛烈に読書をしたと思います。マネジメントや経営書などを中心に月に10冊くらいで、毎月、サラリーの10~20%くらいにはなっていたと思います。特に、ピーター・ドラッカーの本は乱読しました。

今は、ゆっくりと経営書を読む暇がなく、地出張の途中や寝る前の小説が主体になっています。小説は、浅田次郎、楡周平、真山仁、百田直樹、桜木柴乃、垣根亮介などです。これらの作家は総じて文章が上手いと思います。関連の新刊が出るとすぐに読みますから、ほとんどを読み尽くしています。その他に、大沢在昌。これはどの書店でもあるし、大量に出版されていますから、時間つぶしにはいいかなと思って読んでいます。私は活字中毒ですから、読書スピードは速いのですが、また、忘れるのも早い。

浅田次郎の洒脱な文章に感心し、楡周平の未来社会を先取りした緻密なストーリー、真山仁の社会の問題点を抉り出す観察眼(特に短編小説が秀逸)、百田直樹の一刀両断の痛快なストーリー、桜木紫乃の市井の人々の生活の哀しみからにじみ出る重みのある言葉等々、仕事の合間のストレス解消にはもってこいだと思います。小説はフィクッションですから、それ自体から何かを得る目的はありませんが、仕事の合間のストレス解消ぐらいの気持ちで読みます。それに、何気ない深みのある言葉に心動かされることがあります。そういう言葉に出会うことも、また一つの喜びです。

今考えてみると、何気ない読書である程度の文章力が身についたのではないかと思います。文章を短時間に的確に書くことは、特に知的な世界に生きる人にとって非常に重要なスキルであると思います。

50歳代で、雑誌「地熱」の編集委員長を約3年間務めました。これも文章力を高めるのに役立ったと思います。私が最後の編集委員長でした。最後の編集後記で「地熱のこれから」ということで書いたのが、「今からの地熱開発の在り方」、「小規模発電の重要性」についてでした。これらが私のその時の夢であり、目標でした。

その後、地熱は再び脚光を浴び、小規模発電も発展しつつあります。考えてみれば、この目標の実現のために約20年、生きてきたようなものです。この目標が世の中に普及することこそ、人生をかけた私の大きな夢なのかもしれません。

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