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私の好きな女たち

梅雨の合間の青空は気持ち良いですね。なんとなく、未来が明るくなるような気分になるものです。北九州出身の漫画家、わたせせいぞうの作品出てくるサラリーマンのようにスキップしたくなる気持ちです。

さて、今日は浅田次郎の小説の中の女について話してみたいと思います。たくさん出てくるので、私の好きな女ということで2人挙げてみます。

一人目は、小説“きんぴか(3)”に出てくる「血まみれのマリア」です。救急病院の外科医で、肝の据わったヤクザな女とでも言いましょうか?気風の良さに惹かれます。浅田次郎は、本音で生きる主人公たちが建前だらけの世の中で引き起こす軋轢を面白おかしく書くのですが、特にきんぴかシリーズはそれが際立っています。

そして、もう一人は、小説“天国までの500マイル”に出てくる「マリ」です。キャバクラのホステスですが、離婚して失意のどん底にいる主人公を心身ともに支える女性です。決して美人ではありません。いやむしろ不細工なのです。しかし、解説者も書いていますが、現実にこんな女性が居たらきっと私も惚れてしまいそうです。

そして、民子も忘れることはできません。民子は残念ながら人間ではありません。雌猫なのですが、ストーリーは涙を誘わずにはいられません。

けなげに生きる。素直に生きる。不条理な世の中を静かに受け入れながら生きる。こんな生き方が良いか悪いかは分かりませんが、私は人間として惹かれます。

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